「会話してる“つもり”になってない?──今、蔓延している“対話のすり替え”について」

本日はお休みなので、アパレルから少し離れて──
ずっと気になっていた「会話と対話のズレ」について、今日は少しだけ綴ってみたいと思いました🌙
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最近、こんなやりとりを耳にすることが増えました。
👤「お腹痛くて…」
👥「え、ところで昨日のサッカー見た?」
👤「仕事がしんどくて…」
👥「まぁまぁ!気分変えてランチ行こ!」
話はしているけれど、心はどこにも届いていない。
そんな“すれ違い”が、今あちこちで起きている気がしています。
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その背景には、心理学的に見ても興味深い傾向があるんです。
今日はその中から4つ、ご紹介させてください🫧
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💬1. 情動回避型コミュニケーション(Emotional Avoidance)
相手の感情を受け止めず、無意識に話題をすり替える癖。
🌱 例:
「体調が悪くて…」 → 「で、ランチ何にする?」
「不安で…」 → 「そういえば昨日の試合見た?」
☑ 悪気はないことがほとんど。でも、感情を受け止める“体力”や“訓練”が足りないと、苦手意識から逃げてしまうことがあります。
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🕰2. 会話の脱同期(Conversational Desynchronization)
テンポや意図が合わず、まるで別々の独り言のようになってしまう会話。
🌱 本来の会話:
A「昨日、辛いことがあってね…」
B「それは大変だったね」
A「うん…でも少し落ち着いたよ」
→ 呼吸を合わせた“キャッチボール”
🌱 脱同期した会話:
A「昨日、野球見た?」
B「私はサッカー見てた!」
A「そっか、で野球の話なんだけど…」
→ ただ並走するだけの“独立した会話”
☑ 原因は、SNS・チャット文化でのテンポ優先、間を恐れる空気感、そして「次に何を言うか」で頭がいっぱいになる傾向かもしれません。
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🪞3. 即時リフレーミング癖(Immediate Reframing)
相手の感情を、すぐ“別の意味”に変えてしまう無意識の癖。
🌱 例:
「怖い…」→「気にしすぎ🤣」
「ちょっと待って…」→「ほら、あれ見て❗️」
「嫌だ…」→「冗談やん‼️」
☑ 「明るくしよう」「元気づけよう」という意図かもしれないけど、それが結果として“感情のすり替え”になり、相手の心を否定することにも繋がってしまいます。
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❌4. 否認型コミュニケーション(Defensive Communication)
または:反射的否定(Reflexive Dismissal)
会話の冒頭で、相手の気持ちを“正す”ことから始めるタイプ。
🌱 例:
A「それってちょっと怖いね…」
B「いや、それはさ〜」
A「そう感じたの…」
B「でもそれって、考えすぎじゃない❓」
☑ 内容は共感できていても、「いや」「でも」「違うよ」とすぐに否定する癖があると、相手は「この人にはもう話せない」と感じてしまうのです。
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🌿まとめ
「怖い」「つらい」「寂しい」
そんな誰かの本音に対して、
・話題をすり替える
・テンポで流す
・明るさでごまかす
・正しさで否定する
それは“優しさ”ではなく、
もしかしたら“感情の否定”かもしれません。
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「自分はまとも」
「自分は明るい」
「自分はコミュ力ある」
…そんなふうに思っている人ほど、
実は誰かを受け止めきれていないことがあるのかもしれません。
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対話とは──
テンポでも情報でもなく、
感情とタイミングのキャッチボール。
呼吸を合わせるような“心の共鳴”。
話せてる“つもり”でいると、
知らないうちに、大切な誰かの心を
静かに遠ざけてしまうことがあるのです。
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⚪️最後に。
これは誰かを責めたい投稿ではありません。
「…あ、私もそうだったかも」
そう気づいてもらえたら、それだけで充分なのです🕊️