Atto Vannucci 2026SS アズレージョコレクション〜ポルトガルという国と、1本のイタリアセッテピエゲネクタイ〜

ポルトガルと聞いて、何を思い浮かべるでしょう?
私ならやはりサッカーでしょうか。
ポルトガル代表🇵🇹
C・ロナウド。

フィーゴ。

ルイ・コスタ。

サッカーファンなら、まず選手の名前が浮かぶかもしれません。
でも少し立ち止まって、地図を見てみました。

ポルトガルはヨーロッパ大陸の最西端、
大西洋に向かってひっそりと佇む小さな国です。
面積は日本の約4分の1。人口は約1000万人。
東京都民をもう少し過密にした感じでしょうか。
この小国が15〜16世紀、世界の海図を塗り替えました。
バスコ・ダ・ガマ

がアフリカを回りインドへ。
日本に鉄砲とキリスト教をもたらしたのも、彼らでした。

天涯の果てまで漕ぎ出した民族の美意識。
それが今も、リスボンの街角を彩り続けています。

アズレージョ、

と呼ばれる装飾タイルとして。
アズレージョとは何か。
(イタリアではアズーロなどとも言いますが)
ポルトガル🇵🇹での
青、と一言で言っても
これほど深い青があるでしょうか。
リスボンの街を歩くと、建物の壁面が

幾何学模様や風景画のタイルで覆われていることに気づきます。

白と青、時に多色の、繰り返す紋様。
オランダ🇳🇱タイル
(似ているものでよくアムステルダムで見た「デルフトタイル」

は、白地にコバルトブルーで風景、動物、人々の生活を描いた「ブルー&ホワイト」が特徴。)を似て非なるもの。
アズレージョはアラビア語で
「磨かれた小石」
を意味するという説があります。
イスラム文化がイベリア半島

に残した遺産が
ポルトガルの美意識と溶け合い、生まれたもの。
その幾何学の美しさが
一本のネクタイの剣先に宿ったとき
私は理屈より先に、手が動いていました。

Vゾーンをアズレージョの美しいタイルのように彩ることが出来ればと。

マリアサンタンジェロの白シャツに深い青。
これから春を迎えるには素晴らしいものとなると祈りました。
セッテピエゲ、という仕事。
デルフィオーレのアットヴァンヌッチと言えばふんだんに生地を使った最長にして大剣幅8.5cmのセッテピエゲ。
イタリア語で「7つ折り」。
生地そのものを7回折り重ねることで
あの独特のふっくらとした結び心地と
しなやかな表情が生まれます。
機械には出せない、手の記憶が宿る一本。

今もなおイタリア国内でも片手で数えるほどしか出来ない技法。
物真似は出来てもアットヴァンヌッチの前身でもあるタイユアタイ

からの名前は変われど、技法の継承と伝統です。
この一本を選ぶ方へ。
50年、60年と積み重ねてきた審美眼は
饒舌な説明を必要としません。
ただVゾーンに、静かな物語を纏う。
大航海時代

にヨーロッパの果てから
世界へ漕ぎ出したポルトガルの民のように。
見えないところに、本物を選ぶ。
それがひとりの紳士の、美意識というものだと
私は信じています。
Atto Vannucci 2026SS
AZULEJOS Collection