1953年ナポリ発 仕様別注 Maria Santangelo(マリアサンタンジェロ)

マリアサンタンジェロ

のシャツは、日本でも多くのお店でお取り扱いがありますが、
Del Fioreでは「ナポリ仕立て(マニカ・カミーチャ)」

に、私自身のデザイン要望を重ねた合作仕様として展開しています。
通常は生地だけ選んでそのまま売ってしまうのですがそれだと同じ商品が日本中にかぶる事になります。
それなら、私たちが扱う意味がない。
そう考えて、仕様からご相談させていただいてきました。
輸入代理店さんが細かな要望を本国に伝えてくださり、それを受け入れてくださる──
その距離感も含めて、信頼しているブランドです。
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マリアサンタンジェロの根底には、創業者マリア女史の
「男性に着てもらいたいシャツ」
という想いがあります。
そこに、スウェーデン🇸🇪のROSE & BORNやイタリアのKITONのシャツから得たインスピレーションを重ね、
襟やカフスのステッチをコバステッチ仕様に変更するなど、細部を別注してきました。

お客様からいただいていた
「襟のサイズは合っているけれど、スリムフィットがきつい」
という声を受け、今季からはスリムフィット → レギュラーフィットへパターンも見直しました。
襟型は数あるコレクションから、現在は主に3型を選んでいます。
・NIKO:Vゾーンにタイドオンしやすいビジネス向きであり、私が迷いに迷って悩みに悩んでネクタイに合う襟型をセレクトしたもの。


・MARCO:ワイドカラーシャツ。ビームスさんがよくセレクトされ、多くのブランドなどでよく見られるカラー。


かつてはFRANCOもDel Fioreで提案していましたが、
後発で「日本でセレクトしているのは自社のみ」と謳う文章を目にしたときは、正直悔しさもありました。
ただ、FRANCOは襟先が跳ねやすい一面もあり、今となっては「他社さんにお任せして正解だったかもしれない」とも感じています。
その上で襟や襟先にコバステッチをかける事でナポリ仕立てに高級感を演出させて頂いたものです。
ここに加えて、インフルエンサーの干場義雅さんが提案した「ENZO」という前ボタンの仕様も採用しています。
(正直、乗っかるかどうか迷ったところですが、おそらくは輸入代理店さんやマリアサンタンジェロさん公認、または元々あったものなのだろうと私は思っています。)
ENZO は襟型の名前ではなく、前立ての第3ボタン位置をわずかに上げることで、ボタンを3つ開けても胸元がだらしなく見えないようにしたディテールです。
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また、特筆すべきはナポリ仕立てのマニカ・カミーチャです。

・袖山にギャザーを寄せながら立体的に縫い付けるハンドの技法
・袖付け部分に縦ジワが入り、「雨降り袖」とも呼ばれる表情
・軽く肩にフィットし、腕の可動域が広いリラックスした着心地
・ブリティッシュのカチッとした肩とは対照的な、柔らかく色気のある佇まい
Pitti Uomoの会場


でも、シャツだけでなく水着まで展示しているのを見ましたが、
一貫して「女性から見て、男性に着てほしい一枚」を追求している空気を感じました。
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FRAY、Luigi Borrelli、フィナモレをはじめ、イタリア製シャツは全体的に価格が高騰しています。
お客様からも「シャツで7万〜8万はさすがに…」という声をよく伺います。例えオーダーのシャツであったとしても。
イタリアではシャツは肌着に近い存在。
肌に直接触れ、消耗も激しいアイテムです。
だからこそ私は、
「価格が2倍なら、価値(クオリティ)も2倍でなければご提案してはならない。」
と考えています。
これは先日お話ししたBRERASやBAFYにも共通する、Del Fiore ismです。
(アットヴァンヌッチもネクタイとしては高価格帯ですが私の中では「エルメスのスカーフ」に近い、別格の芸術品として捉えています)
マリアサンタンジェロは、その中で
「ナポリ仕立ての手仕事」「別注仕様のこだわり」「現実的なプライス」
この3つのバランスが取れたシャツとして、今も変わらずセレクトし続けています。
その秘密は「定番生地」をセレクトする事。
コレクションラインをセレクトするとマリアサンタンジェロも高額になっていきます。
しかし元々持っておられる生地、常置している生地を巧みにセレクトすれば今の価格帯を維持出来ています。
可能な限りお客様目線でセレクトしたい、それは私の矜持でもあります。